先日、60代の妻が70代の夫を殺害するという事件がありました。
妻は夫から暴言を受けたと供述しているそうです。

この事件に関しては、これ以上詳しい事は分かりませんが、もしかしたら妻は長年夫のモラハラに苦しんでいたのかもしれないと思いました。

モラハラ(=モラルハラスメント)とは、精神的暴力のことです。
巧みな言動で、相手方の思考力を奪い、完全に支配するのです。

このモラハラは、密室で発生し、何ら証拠が残らず、誰かに相談しても信じてもらえない事が多く、非常に厄介なのです。
周囲の理解が得られないのは、証拠がないからだけでなく、一つ一つの出来事が誰にでもあるような些細な事であったり、得てして加害者には外面が良い人が多い事も挙げられます。

被害を受けている側ですら、これが暴力だと気付かずに、ひたすら「相手が怒っているのは私が悪いからだ」と信じ、他者に助けを求めないため、問題が表面化していないケースもかなりあると言われています。

加害者は、不機嫌な状態がしばらく続いた後、怒りを一気に爆発させ、その後泣いて謝ったり、優しく接したりします。
DVと同じように、このようなサイクルを繰り返すため、被害者が逃げる事は難しく、暴力はエンドレスで続いてしまうのです。

私の事務所にも、多くのモラハラ被害者が来られます。
本当に、多いのです。

それでも、自らは被害者だと気づき、加害者の巧みなコントロールから逃れて来た彼女たちは、ほんの一部に過ぎないのでしょう。

何故、加害者はこのような暴力を行うのか。
暴力が成り立つ土壌は何か?
具体的にどのような嫌がらせが行われるのか?
etc.

これらは、多くの経験者や研究者のサイトに記載されていますので、もしや?と思いあたる方は、是非検索してみてください。

私は、ご相談者との面談で、モラハラの臭いを感じた時は、調停を勧めています。
理由は以下のとおりです。

1)話合いができない
モラハラ加害者は、話合いを嫌う傾向があります。
また自分が常に正しいという思いが強いため、巧みに誤魔化されてしまいます。
当事者どうしで冷静に話し合いができないことは、既に十分ご理解されているでしょう。

2)第三者が入る事を嫌う
モラハラ加害者は、自分のコントロールが効かない第三者が介入することを恐れています。

3)権威に弱い
第三者が『被害者の父』や『親戚のおじさん』よりも『裁判所の調停委員』の方が効果があるようです。

4)直接会わなくて済む
調停は、通常相手方と同席せず、交互に調停委員と面接する形で進められます。
調停委員を通すことにより、モラハラ加害者の巧みなコントロールを完全に封じ込めることができます。

多くの場合、調停はモラハラ加害者にとって避けたい事態です。
ですから、被害者本人や被害者の親、自分達の子どもなどを利用し、泣き落としや脅しなど、あらゆる手段を使って、調停を阻止しようとしてきます。

それでも、とにかく調停に乗せてしまえば、あっさり調停が成立するか、もしくは調停前後で協議がまとまるようです。

自分自身の人生を歩むんだという決意さえもっていただければ、後は様々な職種や専門家があなたを救うことができるのです。

もしも、モラハラで悩んでいるなら、女性相談センター(愛知県)にご相談してみてはいかがでしょうか。
今、離婚を決意できていなくても、かまいません。
話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になることもあります。
話すことをまとめているうちに、自分の気持ちに気付くこともあります。
相談したその日に、すぐ解決できる問題ではありません。
でも、公的機関に相談したという事実が、あなたを守ってくる事実(証拠)になることもあります。

責められるべきは加害者であって、あなたは悪くありません。
あきらめなければ、必ず道はあります。

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