児童扶養手当は、離婚等によるひとり親家庭の生活の安定と子どもの健やかな成長を目的として支給される国の手当です。
(*平成22年8月から父子家庭にも支給されています)

全額支給されれば月額42,290円(平成29年度、子ども一人のとき)を受け取ることができますが、所得制限などの条件がありますので、当てが外れると大変なことになります。
事前にしっかり情報収集しておきましょう。

Q 児童扶養手当を受け取ることができるのはどんな場合ですか?

A 以下に当てはまる18歳以下の児童(心身に中度以上の障がいのある児童は20歳未満)を養育している父、母、養育者

1)【離婚】父母が婚姻を解消した児童
2)【死別】父又は母が死亡した児童
3)【障害】父または母が重度の障害にある児童
4)【遺棄】父または母から引き続き1年以上遺棄されている児童
5)【未婚】母が婚姻しないで生まれた児童
6)【生死不明】父または母の生死が明らかでない児童
7)【DV】父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた児童
8)【拘禁】父または母が引き続き1年以上拘禁されている児童

 

Q 両親がいない場合は?

A 父または母に代わってその児童を養育している方(祖父母・叔父叔母など)が児童扶養手当を受給できます。

 

Q 児童扶養手当を受け取ることが出来ないケースは?

A 以下の場合は受給できません。

1)父、母、養育者、対象となる児童が日本国内に住所がないとき。
2)児童入所施設等に入所又は里親に委託されているとき
3)父または母の配偶者(内縁、同居など事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含む)と生計を同じくしているとき(父または母に重度の障がいがある場合は除く)

***以下は【死別】の方のみ関係します。【離婚】の場合は読み飛ばしてください。**

4)父または母の死亡に伴う労働基準法等の規定による遺族補償を受けることができる場合であって、この遺族補償の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
5)母の死亡に伴う労働基準法等の規定による遺族補償を受けることができる父に養育を受け、かつ、これと生計を同じくしている場合であって、この遺族補償の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
6)父または母の死亡に伴う労働基準法等の規定による遺族補償を受けることができる者に養育を受けている場合であって、この遺族補償の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
7)父の死亡に伴う労働基準法等の規定による遺族補償を受けることができる母に養育を受けている場合であって、この遺族補償の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。

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Q 児童扶養手当は離婚届を出すと自動的に支給されますか?

A いいえ。
申請者本人が市町村窓口に必要書類を添えて申請し、受給資格の認定を受ける必要があります。

Q 公的年金を受給していても児童扶養手当を受給できますか?

A はい。平成26年12月以降は、年金額が児童扶養手当額より低い方は、その差額分の児童扶養手当が受給できるようになりました。例えば、お子さんを養育している祖父母が低額の老齢年金を受給している、父子家庭でお子さんが定額の遺族厚生年金のみを受給している、母子家庭で離婚後に父が死亡しお子さんが定額の遺族厚生年金のみを受給している場合などが該当します。

 

Q いつから受け取ることができますか?

A 要件を満たし、認定を受ければ、申請をした翌月分から支給されます。毎年4月、8月、12月、各月の11日(11日が土日祝日にあたるときは直前の金融機関営業日)に、それぞれの前月分までが口座に振り込まれます。

例えば、4月に申請し認定されれば、5~7月分が8月に振り込まれます。

 

Q いつまで受給できますか?

A 子どもが18歳になる年度末(3月31日)まで。心身に中度以上の障がいのある児童は20歳まで。

ただし、受給資格を取得してから一定の期間を経過すると手当支給額の2分の1が停止されます。(一部支給停止措置)

 

Q 一部支給停止措置はどんな場合に対象となりますか?また停止されず、これまでと同様に受給できる場合はありますか?

【対象となる方】
・手当を受け始めてから5年
(ただし、認定請求をした日において3歳未満の児童がいる場合は、当該児童が3歳に達してから5年)
・支給事由発生から7年
のどちらかを経過する受給資格者(父と母に限る)

【一部支給停止措置の適用除外】
下記のいずれかに該当する場合、必要な書類を期日までに提出すれば、これまでと同様に手当てを受給できます。(所得の状況や家庭の状況等に変化があった場合は、この限りではありません。)

* 就業している。
* 求職活動等の自立を図るための活動をしている。
* 障がいの状態にある。
* 疾病、負傷または要介護状態にあることその他これに類する事由により就業することが困難である。
* 監護する児童又は親族が障がい、疾病、負傷、要介護状態にあることその他これに類する事由により、あなたが介護する必要があるため、就業することが困難である。

 

 

Q 児童扶養手当の額はいくらですか?(全部支給、平成29年度の場合)

A 子ども一人のとき、42,290円。子ども二人のとき、52,280円。子ども三人のとき、58,270円。以後、1人増えるごとに、プラス5,990円。ただし、手当を受け取る方の所得に応じて減額されます。

 

Q 所得の制限はありますか?

A あります。手当を受け取る方または扶養義務者(直系血族・兄弟姉妹)等の前年の所得が下表の限度額以上ある場合は、その年度(8月から翌年の7月まで)は、手当の全部または10円単位で一部が支給されません。

所得制限限度額表

扶養親族等の数
(税法上の扶養親族の数)
受給者(父または母)扶養義務者等
(直系血族・兄弟姉妹)
全部支給一部支給
0人190,000円
(およそ90万円)
1,920,000円
(およそ300万円)
2,360,000円
(およそ370万円)
1人570,000円
(およそ130万円)
2,300,000円
(およそ350万円)
2,740,000円
(およそ420万円)
2人950,000円
(およそ170万円)
2,680,000円
(およそ400万円)
3,120,000円
(およそ460万円)
3人1,330,000円
(およそ220万円)
3,060,000円
(およそ450万円)
3,500,000円
(およそ510万円)
扶養親族の数が4人目以上一人増す毎に380,000円加算

*離れて暮らす親から養育費を受け取っている場合は、養育費の80%が受給者の所得に参入されます。
*所得控除の内容及び扶養親族により、所得金額から控除または限度額に加算される場合があります。
*(   )の金額は給与収入(前年度年間給与の総額)の概算額です。おおよその目安としてください。

 

Q 自分の前年度の給与収入と所得はどうやって確認するのですか?

A 「源泉徴収票」を確認してください。会社員の方は、12月か1月の給料日に会社から「源泉徴収票」(下記)をもらっているはずです。赤く囲ってあるところが「収入」、青く囲ってあるところが「所得」です。

源泉徴収票

* 上の図をクリックすると拡大します。もとに戻るときはブラウザの「戻る」をクリックしてください。

給与所得以外の所得があって確定申告をした方、2か所以上から給与をもらっている方、年度の途中で転職した方、自営業の方等は、該当年度の1月1日に住所を置いていた市町村で「所得証明書」を取得してください。

 

Q 所得の審査対象となる期間は?

A 8~12月に申請する場合は前年度、1~7月は前々年度の所得が対象。
平成30年1月に会社からもらう源泉徴収票は平成29年度(前年度)のものですから、平成30年1月~平成30年7月に申請する場合は、平成28年度(前々年度)が対象になります。

 

Q 離婚した母親が子ども(18歳未満)を養育している場合の所得制限限度額表の具体的な見方を教えてください。

A *分かりやすくするため、各種控除は考えないものとしています。

【ケース1】
私は平成29年12月1日に離婚しました。10歳の娘と二人で暮らしています。前年(平成28年度)の私の給与収入は90万円弱(給与所得19万円)で、娘は夫の扶養に入っていました。今月中には児童扶養手当の申請を済ませたいと思っています。

前年度、あなたには税法上の扶養親族が誰もいないので、「扶養親族等の数」0人の行を見ていきます。すると受給者(母)で全部支給される場合の所得制限限度額は給与収入およそ90万円とあります。あなたの前年給与収入はこの90万円以下なので全部支給(=42,290円の満額)されます。
実際には、請求した翌月分から受給されるので、平成30年1月~3月分の42,290×3カ月分=126,870円が平成30年4月11日に振り込まれます。

 

【ケース2】
私は平成29年12月1日に離婚しました。10歳の娘と実家に戻り、年金生活の両親と独身で会社員の弟と5人で暮らしています。弟の前年(平成28年度)の給与収入は470万円程度です。

弟とあなたの世帯が別(住民票を分けていてる)でも、弟はあなたの扶養義務者にあたります。弟が誰も扶養していないとして「扶養親族等の数」0人の行の最も右「扶養義務者等」の所得制限額を見ると給与収入ベースでおよそ370万円とあります。弟の給与はこの額を超えていますので、あなたに手当は支給されないことになります。
両親、弟等、たとえ父、弟、あなたが世帯主として世帯分離していても、同居していれば生計が同一とみなされ、扶養義務者にあたります。扶養義務者のうち、扶養親族等の数に該当する所得制限額を超えた収入の方がいれば、あなたには一円も手当が支給されません。

 

【ケース3】…【ケース1】の2年後を想定。ただし、手当の額は平成29年度から変更なしと仮定。
平成29年12月1日の離婚後、5万円の養育費を元夫から受け取っています。平成30年度1年間に養育費は60万円、給与収入はおよ300万円弱(給与所得192万円)、娘の税務上の扶養親族は私です。役所から平成31年8月中に更新手続きをするよう案内が届きました。

あなたが前年度(平成30年度)に受け取った養育費60万円のうち80%(=48万円)は所得に参入されますので、あなたの前年度所得は234万円(給与所得192万円+養育費48万円)になります。
あなたの「扶養親族の数」は娘1人なので、「扶養親族等の数」1人の行を見ると、受給者(母)で一部支給される場合の所得制限限度額は230万円(所得)とあります。あなたの所得は既にこの額を上回っているため、児童扶養手当は支給されません。

 

Q 一部支給とは何ですか?

A 所得が高くなれば10円単位で減額されるしくみになっています。
例えば、あなたに税務上の扶養親族がいない場合、所得が19万円未満なら全部支給ですが、19万円を超えて192万円に達するまで、42,280円~9,980円まで10円単位で減額されます。所得が192万円を超えると支給されなくなります。

 

Q 一部支給の手当額は、どのように算出されますか?

A

児童一人の手当額手当額=42,280円ー(所得額ー控除額)×0.0186705
児童二人目の手当額手当額=9,980円ー(所得額ー控除額)×0.0028786
児童三人目以上の手当額手当額=5,980円ー(所得額ー控除額)×0.0017225×児童数
* 係数は、固定された係数ではありません。物価の変動等の要因により、改定される場合があります。
* 所得額は、社会保険料控除8万円その他障がい者控除等各種控除額を控除後の金額です。
* 控除額は、所得制限限度額の全額支給限度額です。(扶養人数、老人・特定扶養親族または控除対象扶養親族がある場合で、金額が変わります。)

 

Q 同居している親族に所得がある場合は?

A 同居の親族(父母・祖父母・子・兄弟姉妹)の所得も審査の対象になります。

 

Q 手当額を試算できますか?

A ジョイナス名古屋(母子家庭等就業支援センター・名古屋市相談室)のホームページで各事項を入力すると試算できます。

 

Q その他にひとり親家庭への手当はありますか?

A はい。県や市町村でも手当があります。児童扶養手当は国の手当ですが、申請の窓口は市町村ですので、児童扶養手当と一緒に案内を受ける事ができるはずです。手当の内容は市町村によって多少異なります。

<参考>
ひとり親家庭のための福祉のしおり(平成29年度)

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